焼酎廃液 廃水処理試験報告書
1.株式会社様 焼酎廃液について
- オゾン+マイクロ・ナノバブルによる酸化反応
- ACBキャリアによる生物処理による廃液性状の変化についてラボ試験を行った。
2.実験日時
- 嫌気前処理=2020年2月20日(木)13:30~3月3日(水)
- O3+MB処理=2020年3月3日(水)15:00~4日(木)15:00
- ACBキャリア処理=3月4日(木)~23日
- O3+MB処理=2020年3月23日(月)14:30~17:30
3.実験場所
埼玉県八潮市伊勢野347-4 エンバイロ・ビジョン株式会社 作業所
4.実験者
エンバイロ・ビジョン株式会社 豊岡・岡村
5.実験条件
- 廃液量:約35L(容器容量120L
イクロ・ナノバブル発生器:YJ-6 通水量:約30L 送気量:約10L/分 - 沈殿した汚濁成分の上澄み部分をポンプで回収、原水35Lを水65Lで希釈し100Lとした。
①ACBキャリア 100Ⅼの廃液容量の15%=15L
6実験結果
経過時間 | 採取時刻 |
BOD(mg/L) |
BOD(mg/L) |
SS(mg/L) |
SS(mg/L) |
SS(mg/L) |
N(mg/L) |
P(mg/L) |
備考 |
|
1 | 原水(上澄み) | 2.20 13:30 | 23000 | 15000 | 5400 | 3.7 | 110 | 610 | ||
2 | 嫌気希釈 | 3.3 13:50 | 8100 | 4000 | 340 | 3.9 | 2.6 | 150 | 45 | 嫌気後希釈 原水35:水65 |
3 | 嫌気希釈 | 3.3 17:00 | 6000 | 4000 | 140 | 3.9 | <2.5 | 130 | O3+触媒 促進酸化法 | |
4 | O3MB 25h | 3.4 15:00 | 5300 | 5300 | 58 | 4.2 | <2.5 | 130 | O3+触媒 促進酸化法 | |
5 | ACB好気9日 | 3.13 13:30 | 44 | 320 | <10 | 9.1 | <2.5 | 32 | ACB好気生物処理 | |
6 | ACB嫌気11日 | 3.23 14:30 | 3 | 51 | <10 | 8.6 | <2.5 | 17 | 13 | ACB嫌気生物処理 |
7 | O3MB 3h | 3.23 1730 | 13 | 18 | <10 | <2.5 | O3+触媒 促進酸化法 |
7.観察
- スクリーンでSS前処理を行った廃液に対し嫌気前処理をおこなった。その際カビのような上面固形部と通常のSSが沈降分離したので、上面固形部を除いた上澄み液を利用し、原水35:水65で希釈し実験を行った。
- 試験開始直後から細かな泡が発生し、試験の間、発泡状態が継続したが、さほどの量ではない。
- 原水は異臭がしたが、オゾン+マイクロ・ナノバブル試験の開始直後から、臭気はほとんど気にならなくなった。
- 色の変化は、3時間経過してかなり薄くなった。焼酎廃液は通常の処理では困難とされ、滞留時間を長くとる必要があると判断し、次の日まで継続することとした。その結果、無色透明となり、SS成分が極端に減少した。
- 原水のpHは酸性に振れており、その付近で推移した。
8.考察
- 最初の3時間での目視確認では、採取直後は透明度も増し、SSも少なく感じ、さらに時間が経過すると透明度もさらに高まる傾向でした。25時間経過することでSS成分が分解され、BODは1/4以下、CODも1/5以下まで減少することからオゾン+マイクロ・ナノバブル+触媒でのの促進酸化処理が可能な検体といえます。
- 次の工程として、中和処理後、ACBキャリア(活性炭含有担体)+マイクロナノバブルによる好気性生物処理を9日間行い、結果としてBOD、COD、SS共に、数値を大幅に下げられることが確認されました。通常ですと9日間で分解試験は終わるのですが、窒素の値が高めであることが予想されたため、追試で嫌気(微好気)マイクロバブルによる生物処理11日を追加しました。結果としてさらに窒素をはじめ各種数値の改善が見られました。
- 最後に、再度オゾン+マイクロ・ナノバブル+触媒の処理を3時間行いました。
- この工程はBODに対してCODが高めに出る点を改善する狙いで行い推定通り、CODをさらに下げることに成功しました。
- この試験結果により、OZAC廃水処理システムによる焼酎廃液処理が可能であることがわかりました。処理水の水質も申し分のないレベルです。透視度はおそらく1m以上あると思われるレベルです。
- 以上の結果より確実なシステムの構築ができますので、計画工場があればその規模に合わせたお見積が可能です。
写真(オゾン+マイクロ・ナノバブルによる酸化処理試験)
1-焼酎廃液 原水の様子
2-試験装置概観
3-マイクロ・ナノバブル発生装置
4-開始15分後の発泡状況
5-開始15分後の発泡状況
6-原水・嫌気希釈・3時間・25時間後の経過写真・25時間後は無色透明
7-ACBキャリア嫌気(微好気処理)11日
8-嫌気ACB生物処理後11日の写真。透視度1m以上と思われる。
9-嫌気ACB生物処理後11日の写真。透視度1m以上と思われる